はじめに
こんにちは。あしゅー/TZ (https://twitter.com/v_ol3 )と申します。
普段は福島の「チームぞうさん」というチーム名で活動しております。
シティリーグ優勝者や、世界大会出場経験のあるメンバーなどの猛者と、日々練習に励んでおります。
今回は4/13 ~ 4/14 に開催されたチャンピオンズリーグ2024愛知の大会結果及び大会レポートを執筆していきたい思います。
大会結果まとめ
引用 ポケカブック様
Top4には≪リザードンex≫が3名、≪サーナイトex≫が1名という結果に。
今環境は≪リザードンex≫に始まり、≪リザードンex≫に終わるCLでした。
環境結果及びデッキ分布
引用 ポケモンカードチャンネル様
Day1とDay2、共に
≪リザードンex≫、≪ロストバレット≫、≪ルギアVSTAR≫が上位を占める結果になってます。
予想通りの結果でしょうか。
台風の目 リザードンex
タイトル通り、今大会の目玉デッキは≪リザードンex≫デッキでした。
≪リザードンex≫は主に≪ピジョットex≫と組まれていることが多いです。
今年の頭、ワイルドフォースサイバージャッジ環境初期は、「ビーダル型リザードンex」が主流でしたが、「ピジョット型リザードン」の安定性、捲り性能が評価され、使用者がかなり増えています。
大会前もかなりの使用者が居ると予想されていました。
≪リザードンex≫はほとんどのデッキに対して五分以上で戦っていける万能デッキであり、初心者から上級者まで幅広いプレイヤーが使用していました。
リザードン界隈に激震走る 世界一強い男が使うリザードン
CL2024愛知の一週間前にイギリスで行われたEUICでTord Reklev選手が新しいタイプの≪リザードンex≫デッキを使用し、優勝を収めます
Tord Reklev選手使用 ≪リザードンex≫デッキ
特徴的な点
≪ピジョットex≫と≪ビーダル≫どちらも採用されているケースは珍しく、ほとんど見かけません。
≪ビーダル≫は特性「はたらくまえば」がとても優秀です。
基本的に≪ピジョットex≫の特性「マッハサーチ」だけでは、手札の枚数を増やしずらいですが、≪ビーダル≫の特性「はたらくまえば」があれば、毎ターン自分の手札を5枚にすることができます。
また、きぜつ時にサイドを1しかとられないポケモン(非ex)盤面を作りやすく、
≪ピジョットex≫が倒されてしまった場合でも≪ビーダル≫がベンチにいれば手札の補充ができ、
≪かがやくリザードン≫と≪ビーダル≫しかいない盤面を目指せば、サイドを1しかとられないターンを強制的に作ることができます。
サイドが1しかとられないターン作りは、≪ルギアVSTAR≫対面において非常に有効です。
≪ルギアVSTAR≫デッキのアタッカーである≪チラチーノ≫で≪ピジョットex≫をきぜつさせられてしまうと、サイド進行が2-2-2になりやすくなってしまうところ、
≪ビーダル≫を手札補充のシステムとして採用することによってサイド進行2-2-2のプランがとられにくくなります。
基本的に≪リザードンex≫デッキは≪ピジョットex≫を倒されてしまうと、思い通りの動きを実現することが難しいデッキです。
人によっては≪ピジョットex≫を2体作るプレイヤーもいますが、
大前提として≪ピジョットex≫を2体育てる事はとてもハードルが高く、≪ふしぎなアメ≫を2枚消費する事も考えると、要求がとても重いです。
その一方≪ビーダル≫は1進化ポケモンであるため、≪ピジョットex≫と比較すると進化させるハードルが低く、
≪ピジョットex≫と≪ビーダル≫を両方育てることはそこまで苦労しないはずです。
・≪ピィ≫の採用
≪ピィ≫はHP30のため≪なかよしポフィン≫でベンチに置くことができ、ワザ「にぎにぎドロー」で手札が7枚になるように山札を引くことができる為、手札事故を緩和できる優秀なポケモンです。
ワザ「にぎにぎドロー」は、エネルギーが無くても使うことができるかつ、≪ピィ≫の逃げるために必要なエネルギーが0なので≪プライムキャッチャー≫との相性も良いです。
≪ピィ≫は≪ロトムV≫とは違って、きぜしたときにサイドが1しかとられないポケモン(非ex)の為、
先程上記で話した「2-2-2でサイドを進めさせない試合進行」を行いやすい要因となっています。
・≪フトゥー博士のシナリオ≫2枚採用でカビゴンLOに強い点
≪フトゥー博士のシナリオ≫が2枚採用されています。
これは「カビゴンLO」への対策です。
さらに≪ビワ≫で≪ともだちてちょう≫をトラッシュに送られるのを嫌い、≪エール団の応援≫が採用されています。
「カビゴンLO」への対策が厚めなのは、海外試合のBO3ルール特有なものだと感じます。
・≪プライムキャッチャー≫採用
ACE SPEC枠が≪プライムキャッチャー≫採用となっています。
海外ではまだクリムゾンヘイズが発売されていない為、ACE SPECの選択肢が日本の環境よりも狭まっています。
日本の環境だと≪リザードンex≫デッキには≪マキシマムベルト≫や≪アンフェアスタンプ≫などが採用されがちですが、
やはり汎用性の高い≪プライムキャッチャー≫の採用は非常に強力です。
裏呼びに特化してる構築の方が、相手の妨害やカウンターをしやすく、
相手のシステムポケモンを枯渇させる動きが得意な≪リザードンex≫デッキとの相性も抜群です。
CL2024愛知 マスターリーグ スタンダード 優勝 ≪リザードンex≫+≪ピジョットex≫
カネコ シンヤ選手 使用 ≪リザードンex≫デッキ
優勝者の≪リザードンex≫は状況で説明した「Tord Reklev選手」が使用していた≪リザードンex≫デッキに似ている一方、
クリムゾンヘイズ環境で新たに登場した≪アンフェアスタンプ≫の採用が目立ちます。
≪アンフェアスタンプ≫は、前の相手の番に自分のポケモンがきぜつしていれば使用することができるACE SPECであり、試合序盤から相手の手札を2枚にすることができます。
試合序盤に相手へ手札干渉+≪リザードンex≫の高いHPで戦うことによって、大半のデッキに対して有利をとることができます。
また、≪アンフェアスタンプ≫は相手の手札を2枚にするだけではなく、
自分の手札を5枚にすることができ、
手札が少なくなりやすい≪ピジョットex≫型の≪リザードンex≫とはとても相性の良いカードです。
また≪ネオラントV≫を採用している事により、試合終盤の≪ボスの指令≫や≪ナンジャモ≫の成功率を上昇させている点、
≪ミストエネルギー≫を採用することによって≪ワザマシン デヴォリューション≫や≪トドロクツキex≫のワザ「くるいえぐる」への対策をするなど、
様々な工夫が成されています。
まさに、現環境を象徴するデッキなのではないでしょうか。
Best4に入賞 ≪サーナイトex≫デッキ解説
Best4 ササキケイヤ選手使用 ≪サーナイトex≫
≪サーナイトex≫は現環境に存在する、≪ルギアVSTAR≫や≪パオジアンex≫、ロストバレットに対して強いアプローチを持ってるデッキです。
≪ルギアVSTAR≫に対しては≪フワンテ≫+≪勇気のおまもり≫、≪サケブシッポ≫+≪ゴージャスマント≫を駆使することによって、HPが高いポケモンを一撃で倒すことが可能です。
また従来の≪サーナイトex≫とは違って、≪フワンテ≫や≪サケブシッポ≫のエネルギーの要求枚数も少ない事から、
早期に≪フワンテ≫を起動する事が可能です。
また、≪サケブシッポ≫が非常に強力で、特性「プライマルターボ」をもつ≪アーケオス≫を簡単に倒すことが出来ます。
≪ルギアVSTAR≫デッキは性質上、特性「なみのヴェール」をもつ≪マナフィ≫を採用していない構築がほとんどで、
≪サケブシッポ≫のワザ「ほえさけぶ」によってベンチ狙撃がしやすいです。
≪サケブシッポ≫は非exのポケモンであるかつ、≪カウンターキャッチャー≫や≪プライムキャッチャー≫を使用せずに、≪アーケオス≫を倒すことができる、現環境唯一無二の性能と言っても過言ではありません。
そんな性能をもつ≪サケブシッポ≫を採用することができるのも、また≪サーナイトex≫デッキの良さです。
・≪サーナイトex≫がロストバレットに有利な点
対ロストバレット戦においては≪ハバタクカミ≫を出すことによって≪キュワワー≫の特性「はなえらび」の試行回数を減らす事ができます。
ロストバレット側も、≪テツノツツミ≫の特性「ハイパーブロアー」で対策する事も出来ますが、
そもそも≪テツノツツミ≫をベンチにおくことが要求として高いため、ロストバレット側の盤面の展開を妨害する事ができます。
≪サーナイトex≫側も、≪ハバタクカミ≫や特性「いたずらロック」をもつ≪クレッフィ≫を盤面に2体出すことによって、≪テツノツツミ≫の特性「ハイパーブロアー」すらも許しません。
このようなロスト系統に対して強いアプローチを持つのが、現状の≪サーナイトex≫デッキの強いポイントです。
・≪テツノイバラex≫デッキ解説
top16 マルヤマ タイジ選手使用 ≪テツノイバラex≫デッキ
対戦環境上流行している≪リザードンex≫、≪サーナイトex≫、≪ルギアVSTAR≫に対して、≪テツノイバラex≫の特性「イニシャライズ」が無類の強さを誇っています。
現状環境の上位を占めるデッキは、ルールを持つポケモンの特性に頼っているデッキが多く、
≪リザードンex≫、≪ロトムV≫、≪ピジョットex≫、≪ルギアVSTAR≫、≪パオジアンex≫など、≪テツノイバラex≫の特性「イニシャライズ」の適応範囲がとても広く、CL2024愛知でも有利な印象を抱きました。
基本的な動きとして、≪ジャッジマン≫や、≪クラッシュハンマー≫、≪ビワ≫などで妨害しながら、≪テツノイバラex≫のワザ「ボルトサイクロン」でエネルギーを移動しながら戦います。
デッキを見た感じ、「本当に勝てるのか」と疑問に感じますが、
特性ロック+妨害が、1~2ターン通ってしまうと、すんなり勝ててしまうのが恐ろしいところです。
スタジアム≪災いの荒野≫も強く、「闘ポケモンを除くたねポケモン全員のにげるためのエネルギーが1個ぶん多くなる」という効果はロスト系統のデッキに対して≪キュワワー≫を入れ替えづらくしているのもとても強いです。
そして、≪テツノイバラex≫デッキは、対戦環境上に少ないこともあり、対策されにくいデッキでした。
このデッキを初めて見た人は、どのように対処したらいいか分からずに試合をしなければならない為、
初見殺しが出来るのも、このデッキの強さだと思いました。
・筆者がもしCL2024愛知 マスターリーグ スタンダードに出るなら使っていたデッキ
≪サーナイトex≫
上記でTOP4に入賞したリストと少し似ていますが、このようなタイプの≪サーナイトex≫デッキを使おうと思っていました。
≪サーナイトex≫デッキは、上記でも説明した通り、非exのポケモンで高いダメージを出すことによって、サイドを捲っていくタイプのデッキです。
新カード≪アンフェアスタンプ≫との相性も良い為、強化された点も大きいです。
ですが、CL2024愛知の結果を見ると、立ち位置が少し悪く、現状弱点が多いのもまた苦しいところです。
・≪リザードンex≫デッキが使用してくる≪ロストスイーパー≫が非常に痛手である
≪フワンテ≫に持たせる≪勇気のおまもり≫や≪ゴージャスマント≫を≪ロストスイーパー≫によってロストに送られてしまうと、非常に厄介です。
ロストスイーパーによって道具を失った≪フワンテ≫とバトル場のポケモンの2体が同時にきぜつさせられてしまう可能性があり、簡単にゲームを制圧されてしまいます。
また≪リザードンex≫は手札干渉を絡めて、上記のような行動をしてくる為、≪リザードンex≫が決勝トーナメントに多く残っていたことを考慮すると、≪サーナイトex≫の立ち位置は少し悪かった様に見えます。
ですが、強力なデッキには違いありませんし、≪リザードンex≫に勝つ手段も存在するため、環境読みが当たれば、良いデッキ選択だと思います。
≪プライムキャッチャー≫入り≪ルギアVSTAR≫
CL前に何度か試行回数をこなしましたが、上記のリストも非常に強力です。
以前の≪ルギアVSTAR≫に採用されているACE SPEC枠のカードは≪サバイブギプス≫や≪マスターボール≫などが主流でしたが、どちらも弱点がありました。
≪サバイブギプス≫の弱点
・≪ロストスイーパー≫で簡単に対処されてしまう。
・≪かがやくゲッコウガ≫のワザ「げっこうしゅりけん」や≪ハバタクカミ≫のワザ「たたりとばす」で事前にポケモンの体力を削ることによる≪サバイブギプス≫の効果そのものを無効化される
・そもそも1枚採用のカードを手札に引きこむことができない
≪マスターボール≫の弱点
・ACE SPEC枠を割いてまで、デッキの安定に振り切ったとしても、デッキの安定力が上がるのは微差程度
・≪マスターボール≫が手札にあったとしても、≪アーケオス≫をトラッシュに送ることはできない
上記のような弱点を持っていて、ACE SPECとしての役割を遂行しにくいのが現状です。
一方、≪プライムキャッチャー≫はデメリットがそこまで無く、逆にメリットの方が多いイメージです。
≪博士の研究≫や≪ナンジャモ≫を使用しながら、ベンチのポケモンをバトル場に呼び出すことが出来るのがシンプルながら、非常に強力です。
ドローソースから繋がる5枚目のベンチポケモンを呼び出すカードとして考えていただければと思います。
CL2024札幌環境予想
CL2024札幌は、今回のCL2024愛知と、さほど良く見かけるデッキは変わらないと思ってます。
そこに新カードが加わる形で、環境が少し動きそうです。
CL札幌で活躍しそうなデッキタイプを少しご紹介致します。
新カード≪レガシーエネルギー≫の登場によって、以前にも増して≪ルギアVSTAR≫が非常に強力なデッキになりました。
≪レガシーエネルギー≫は≪テツノカイナex≫や≪ネオラントV≫、更に新カード「水タイプ≪オーガポンex≫」とも非常に相性が良く、
≪レガシーエネルギー≫の効果で≪レガシーエネルギー≫を持つポケモンがきぜつした際に取られるサイドの枚数が1枚少なくなるので、
バトル場でワザを使うことに特化しています。
また今後、「有色エネルギー+無色エネルギー」を必要とする強力なワザを取得した新規カードが登場したとしても、≪レガシーエネルギー≫が採用されていれば、≪ルギアVSTAR≫デッキに組み込むことが可能となり、
≪ルギアVSTAR≫デッキの拡張性が高まります。
そして、≪レガシーエネルギー≫の登場によって、≪シンオウ神殿≫や≪改造ハンマー≫といった≪レガシーエネルギー≫への対策カードを採用するデッキも多く登場しそうです。
≪シャリタツ≫入りロストバレット
≪シャリタツ≫を採用したロストバレットが、シンプルながら強力だと思いました。
≪シャリタツ≫はロストデッキにおいて非常に重要な序盤に使用するための≪アクロマの実験≫を手札に加えやすくするだけではなく、
・試合終盤に相手に使用された≪ツツジ≫や≪ナンジャモ≫によって減った手札を補充できる可能性が高まる
・≪ツツジ≫≪ボスの指令≫といった、試合の展開を左右する重要なカードを手札に加えやすくする
・≪なかよしポフィン≫でベンチに出せる
などのメリットも含んでおり、今後は様々なデッキで採用されそうなカードです。
また、ロスト軸のデッキは、わざわざ≪シャリタツ≫を採用するためにデッキ内容を変更する必要もないため、
今までのロストバレットにすんなりと採用できる1枚という認識で間違いないでしょう。
おわりに
以上でCL2024愛知環境考察、及びCL2024札幌環境予想でした。
いかがだったでしょうか。
CL2024愛知のスタンダード環境は煮詰めれば煮詰める程、非常に奥深い環境でした。
環境が固まっている状態のCLは、「プレイングに自信のある人ほど勝ちやすい」環境だった様にも見えます。
実力が反映されやすいのも、今の環境の良いところですね。
2週間後には、CL2024札幌が控えております。
個人的に、どのようなデッキが勝ち上がってくるのか予想するのが非常に楽しみなCLです。
CL2024札幌のデッキ選択、もしくは皆様のポケモンカードライフにこの記事が少しでもお役に立てれば嬉しく思います。
それでは。